チームとは何だろう? その③
・・・さて、話を「チーム」に戻そう。
筆者の理想的なチームのイメージは、このドラゴンクエストⅢのパーティーでもある。昭和世代には「ドラクエⅢのパーティー」と言うと、ほとんどの人は「うんうん」と速攻で理解してくれるのだが、若い世代には「???」となる。であるので、上述のように、ドラクエの説明をした。
そのドラクエⅢのチームは、異なる強みと弱みを持っている職業を、転職を含めてチームの成長のイメージをもって仲間として、チームで助け合いながら目的を達成する。戦士は強い防具を装備し体力もあるのでいつもチームの前面に立って敵の攻撃を受けるが、高い防御力と体力によって倒される確率は低い。
しかし、物理攻撃だけではなく呪文による攻撃もあるドラクエの世界では、戦士の高い物理攻撃に対する防御力も、敵からの強い攻撃魔法の前では高いダメージを受けてしまう。そこには僧侶の支援魔法で敵攻撃呪文の効果を弱くしたり、敵からの攻撃魔法に対する戦士の魔法耐性を強くすることも出来る。また、敵が攻撃呪文に強いモンスターの場合は、魔法使いは相対的に弱いが、戦士が物理攻撃で前に出て倒せばよい。逆に武器の効きにくいモンスターには魔法使いの攻撃呪文が効果を発揮する。長旅や長期戦で傷ついた仲間は僧侶の支援魔法で回復させる。そう、チーム内で相互に強みを活かしてチームとして目的に対して最適化した状態で戦うのだ。
さらに、転職により上級職になると、たとえば魔法使いと僧侶の両方の魔法を使える賢者に転職もできるため、個のチカラもさらに高くなる。
個々人で成長しながら、チーム内で助け合って、チームとしても成長し、特性の変化する敵つまり成し遂げるスモールミッションに対して相互に強みを活かして協働し、目的を達成、つまり悪のラスボスを倒し平和を取り戻す。それが、ドラクエⅢのパーティーである。
それに対して、ドラクエⅡのパーティーは少し異なる。3人パーティーであり、主人公の勇者は呪文は使えないが強い武器で戦える戦闘のプロでもある、それは、ドラクエⅢの職業でいうと、戦士だ。2人目のキャラクターは魔法戦士的なキャラクターであり武器は少し扱えるが攻撃魔法と支援魔法がメイン、それは、ドラクエⅢの職業でいうと、僧侶だ。3人目のキャラクターは魔法使いであり重たい武器は持てないが攻撃魔法のプロ、それは、ドラクエⅢの職業でいうと、魔法使い。そのようなそれぞれに強みと弱みをもっているのはドラクエⅢと同じである。
しかし、このドラクエⅡのパーティーは、キャラクターの転職はできないし、入れ替えもできない。この3人はドラクエⅠの勇者の子孫である3人、つまりいとこ同士という最初から関係性がある程度深い集まりであり、仲良しグループでもある。仲良しグループが、共通の目的を達成するために協働する。それがドラクエⅡのパーティーである。(実際のゲームでは、主人公一人でスタートし、2人目、3人目を探すことで3人パーティーになれる)
対して先述したドラクエⅢのパーティーは、仲良しグループではない。仲間を集めチームをつくるところから始める。途中で転職もできるし、パーティーメンバーの入れ替えもできる。目的達成に向けてどのような協働が良いか、自分自身で描いてチームをつくるのである。そして、目的を達成したら、チームは解散し、それぞれ個々の人生に戻る(と思われる。ゲームクリア後の世界はドラクエⅢでは見ることができないので、個人的な妄想であるが)。
ドラクエⅡのパーティーは目的を達成しても仲良しグループではあるが、ドラクエⅢは極論他人である。もちろん、旅路の中で仲間として仲良くなってゆき、目的達成の後も散会しないこともあるだろうが。
そう、どのようなメンバーでチームになるか、が、一つの重要なチームづくりの要素だと考える。
「誰をバスに乗せるか」と言っていたある世界的企業と似たようなものだ。
その、目的を達成するというミッションがあり、それを達成するための最適構成のチームがあり、そのために協働するという手段を使うのである。